特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅸ.乳幼児の外来外科疾患
122.臍ヘルニア
石黒 士雄
1
Yukio ISHIGURO
1
1名古屋大学医学部小児外科
pp.318-320
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902999
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疾患の概念
出生後臍帯が脱落すると,臍輪は瘢痕収縮するが,何らかの原因で瘢痕化が遅れ,臍部の筋膜欠損を生じると,腹圧上昇時に腹腔内容が脱出してくる(図1).
臍ヘルニアは生後1か月前後に発症し,2〜3か月時には最大となる.しかし,生後3か月を過ぎると縮小傾向がみられるようになり,ほとんどの症例では1歳までに自然に治癒する.自然経過ではヘルニアの嵌頓や破裂を起こすことは稀であり,美容的な面以外に問題となることは少ない.しかし,1歳以降もヘルニアが残ったり,ヘルニア門は閉じても臍部の皮膚のたるみが前方に突出し,臍窩の形成の無い,いわゆる“でべそ”の状態が問題となる.
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