特集 Dos & Don'ts外来の小外科
Ⅷ.乳幼児の外来外科疾患
3.臍ヘルニア
大橋 映介
1
1大橋小児外科医院
pp.276-278
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901395
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臍ヘルニアは,生後1か月前後に発症し2〜3か月までは急速に大きくなる.多くはこの頃来院する.嵌頓はほとんどないが,女児は成人してから妊娠中に嵌頓などのトラブルを起こしやすい.放置すればほとんどの症例が5〜6歳までには自然治癒する.しかし,小さな「でべそ」の状態で治癒するものが多く,当院で行ったアンケートでは,自然治癒した症例の半数が何となく気になると答えていた.生命に関わらないからと本症を軽く考えてはならない.子供にとって「でべそ」といわれることは大変なことである.そのため,治療の目的は子供が「でべそ」といわれないようにすることにある.ところが,ヘルニアの状態は治せても「でべそ」にならぬよう本当に満足できる治療をしたと思えることは難しい.保存的か手術的かの適応も,未だ医師個人の考えに左右され,臍の形については主観が入り,その観点からの報告は少なく,問題点を含め述べる.
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