特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方
(Q20)DST(ダブルステイプリング法)の際,直腸断端部のセンター・ロッドの貫通部位は.
中越 享
1
,
澤井 照光
1
,
辻 孝
1
,
綾部 公懿
1
Tohru NAKAGOE
1
1長崎大学医学部第1外科
pp.1036-1037
発行日 1997年8月20日
Published Date 1997/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902809
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直腸癌低位前方切除術におけるdouble sta-pling technique(DST)による再建術での術中トラブルの一つに,サーキュラーステイプラーで打ち抜く部位に関するものがある.直腸断端部においてセンターロッドのトッロカーを直腸壁に貫通させる際,前後方向にはリニヤー・ステイプル・ラインの前壁か後壁か,ないしはリニヤー・ステイプル・ラインそのものに貫通させる3通りの方法があり,左右方向にはドッグイヤーを両側に残すようにする場合と,ドッグイヤーを片側にのみ残す場合の2通りの方法がある.筆者らの教室での直腸癌前方切除術における170例のDST症例のうち,トロッカー貫通部位に関する術中・術後トラブルは6例(3.5%)であった.そのすべてがリニヤー・ステイプル・ラインの前壁か後壁か,またはリニヤー・ステイプル・ラインそのものに貫通させるかの問題で生じたトラブルであって,左右方向すなわちドッグイヤーの残し方で生じたトラブルはないので,以下,トッロカー貫通部位がリニヤー・ステイプル・ラインの前壁・後壁・ラインそのもののいずれが最良かについて述べる.
筆者らの教室では1986年にDSTを開始したが,当初はリニヤー・ステイプル・ラインの前壁にセンターロッドを貫通させていた.
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