特集 Q&A 自動吻合器・縫合器の安全,有効な使い方
(Q21)Double Stapling Anastomosis(DSA)でのdog earの処置法は.
森田 隆幸
1
,
小田桐 弘毅
1
,
今 充
2
Takayuki MORITA
1
1弘前大学医学部第2外科
2財団法人双仁会厚生病院
pp.1038-1039
発行日 1997年8月20日
Published Date 1997/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902810
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Double stapling anastomosis(DSA)で吻合を行う場合,長短の差こそあれ吻合部両端にdogearが形成される.臨床的に問題となるのは,①直腸内に遊離した癌細胞がこの部分に閉じ込められ吻合部再発を助長することはないのか,②断端のstaple lineから出血をきたすことはないのか,③縫合不全の原因になることはないのか,という懸念である.
DSA普及後数年たっが,現在まで吻合部再発が増加したという報告はみられず,同部への癌細胞の遺残は稀なものと思われる.また,直腸断端のstaple lineからの出血はoozing程度のものが大部分であるが,直腸間膜を一部巻き込んでいる場合は注意を要する.筆者らは予防的な意味で両端に1針ずつZ型縫合をおき対処している.
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