膜の解剖からみた消化器一般外科手術・7
結腸癌根治術・右半結腸切除術
金谷 誠一郎
1
1国立姫路病院・外科
pp.655-666
発行日 1997年5月20日
Published Date 1997/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902729
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はじめに
前回までに解説した結腸の解剖とリンパ節郭清の考え方を踏まえて,結腸癌根治術の実際を解説する.今回はその代表として,右半結腸切除術を取り上げる.
癌に対する手術においては,腹膜下筋膜に包まれた層を1つの区画と考え,腫瘍がどの区画に存在するかを見極めたうえで,リンパの流れ(主流副流,亜流)を考えなければならない.実際の手術では,リンパ節転移の状況を肉眼的に判断し,転移リンパ節+αをen blocに郭清する必要があり,そのためには原発病変や転移リンパ節は可能な限り腹膜下筋膜に包まれたままで摘出されなければならない(1997年2月号「本連載第6回」参照).
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