Japanese
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特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”
直腸・肛門部のハイリスク病変
Pre malignant lesions observed at anorectal area
高野 正博
1
Masahiro TAKANO
1
1福岡高野病院
キーワード:
直腸・肛門
,
悪性腫瘍
,
前癌病変
,
ハイリスク病変
Keyword:
直腸・肛門
,
悪性腫瘍
,
前癌病変
,
ハイリスク病変
pp.185-192
発行日 1997年2月20日
Published Date 1997/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902640
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直腸・肛門部は発生学的に種々の組織成分が混在し,前癌病変が発生する.直腸粘膜由来の大腸ポリープは特にvillous typeのものが多い.肛門ポリープは歯状線上の乳頭が肥大したもので癌化はしない.深部の複雑痔瘻が10年以上経過したものは痔瘻癌になりやすく,悪性化しやすい.この他重複腸管も発生する.平滑筋腫は再発・悪性化し肉腫となる.カルチノイドは直腸の粘膜下腫瘍として発生するが,直径1cm以上になると浸潤・転移など悪性の性格を帯びる.肛門癌は肛門内,肛門管外に発生し,squamous cell carcinomaやこの剖に特徴的なcloacogenic carcinomaなどがある.基底細胞癌basal cell carcinomaなどが肛門辺縁に発生するが悪性度は低い.この他,表皮内の前癌病変であるBowen病,Paget病,悪性度の高いmalignant melanomaなどがある.
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