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特集 肝胆膵の悪性腫瘍の早期診断をめざして―ハイリスクグループの設定と画像診断
前癌病変の病理
肝癌の前癌病変の病理
Pathology of the precursor and borderline lesions of hepatocellular carcinoma
尾島 英知
1
,
坂元 亨宇
2
Hidenori OJIMA
1
,
Michiie SAKAMOTO
2
1国立がんセンター研究所 病理部
2慶應義塾大学医学部 病理学教室
1Pathology Division,National Cancer Center Research Institute,Tokyo
2Department of Pathology,Keio University School of Medicine,Tokyo
キーワード:
前癌病変
,
肝細胞癌
,
多段階発癌
,
異型結節
,
早期肝細胞癌
Keyword:
前癌病変
,
肝細胞癌
,
多段階発癌
,
異型結節
,
早期肝細胞癌
pp.145-150
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100240
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要旨
疫学的に日本人の肝細胞癌患者には慢性ウイルス性肝炎合併の割合が非常に高い.近年では,慢性ウイルス性肝炎からの多段階発癌の臨床病理学的解釈・理解がすすみ,肝炎患者は適切なフォローアップを受けることにより,病変が比較的小さいうちに発見され,内科・外科的治療が行われるようになった.しかし限られた標本しか存在しない生検組織のときはもとより,手術材料においても前癌病変の病理診断は容易でない.さらに,現在非常に問題となっている非B非C型肝炎由来の肝細胞癌の理解や,臨床的判断が困難な結節性病変の解釈のためにも,現時点で明らかとなっている肝細胞癌の前癌病変の病理を理解することは重要である.
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