Japanese
English
今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変
序説
知っておきたい直腸肛門部病変
Introduction
松田 圭二
1
Keiji Matsuda
1
1帝京大学外科
キーワード:
直腸肛門部病変
,
肛門診
,
肛門鏡
,
内視鏡検査
,
肛門疾患
Keyword:
直腸肛門部病変
,
肛門診
,
肛門鏡
,
内視鏡検査
,
肛門疾患
pp.927-928
発行日 2018年6月25日
Published Date 2018/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201404
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「胃と腸」誌で直腸肛門部病変が取り上げられるのは本号で5度目である.本稿では,この分野の現状および最近の変化について述べたい.
本誌第22巻3号(1987年)の序説で,武藤徹一郎先生が“胃腸疾患には精通していても直腸肛門部病変には不得手な消化器専門医が少なくない”と指摘された.それから23年経った2010年7月,早期胃癌研究会の開始直前に,筆者が本誌45巻8号のレビューを行った.その際に会場の聴衆の先生方に“痔のようなので診てほしいという患者が来院したら,どうしていますか”という質問をした.選択肢を2つ提示し,“①消化器内科の医師が肛門鏡を使って診察して痔の診断をする”,“②消化器内科の医師は肛門診察せずに外科へ回す”のどちらかに挙手をお願いしたところ,②が圧倒的多数であった.筆者は愕然として,これでは直腸肛門部病変の特集をしても読んでもらえるわけがないと思った.われわれは,日々診療している患者や疾患だからこそ,興味を持つ.目の前の患者を治療するために,文献を紐解いて(最近ではインターネットで検索して)勉強する.肛門の診察をしない医師が,肛門部病変に興味を持つことはないし,学ぶ必要性を感じたりしない.それにしても糖尿病や腎臓病専門の医師ではなく,消化管領域のプロ集団である早期胃癌研究会参加者に行ったアンケートでこの結果は残念であった.
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