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特集 転移性肺癌診療の最新ストラテジー
転移性肺癌の診断
Diagnosis for metastatic lung cancer.(in cases of thyroid cancer, breast cancer, and colorectal cancer)
奥村 栄
1
,
中川 健
1
Sakae OKUMURA
1
,
Ken NAKAGAWA
1
1癌研究会附属病院呼吸器外科
キーワード:
転移性肺癌
,
画像診断
,
腫瘍マーカー
,
気管支鏡検査
,
細胞診
Keyword:
転移性肺癌
,
画像診断
,
腫瘍マーカー
,
気管支鏡検査
,
細胞診
pp.25-30
発行日 1997年1月20日
Published Date 1997/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902610
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転移性肺癌のうち甲状腺癌(4例),乳癌(67例),大腸癌(83例)肺転移例における術前診断の現状を検討し,また早期発見における問題点にも言及した.(1)自覚所見が先行し肺転移が発見される症例は5%(7/154例)と低率であり,胸部レントゲン検査を中心とした画像検査が早期発見には不可欠と考えられる.(2)腫瘍マーカーは,切除対象となる乳癌肺転移症例では,その陽性率(11%)からみた場合,CEAやCA15-3などは有用なマーカーとはいえなかった.大腸癌の場合は,CEAの陽性率は約40%であり,その推移は早期発見の手助けになりうると考えられる.(3)孤立性肺腫瘤の場合,画像所見だけでは転移性か原発性か鑑別困難な症例がみられ,気管支鏡検査あるいはCTガイド下による組織診・細胞診が必要となる.乳癌肺転移の場合には,組織診・細胞診(診断率35%)でも鑑別困難な症例が多いのが現状である.大腸癌肺転移の場合には,壊死を背景として高分化型腺癌が認められれば比較的診断が容易(診断率79%)であった.(4)単発肺転移を小さなうちに発見することは,まさに治療の第一歩であると思われるが,多発転移の永山の一角の可能性もあり,どういう方針でどの時期に手術を施行するかということは,発見することと同等あるいはそれ以上に重要なことと考えている.
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