Japanese
English
臨床報告
外科的切除と薬物治療で長期生存している異時性肝・肺転移を伴う巨大副腎皮質癌の1例
A case of adrenal cortical carcinoma with metachronous liver and lung metastases treated by chemotherapy and surgical resection
正木 裕児
1
,
門田 一宣
1
,
淵本 定儀
1
Yuuji MASAKI
1
1岡村一心堂病院外科
キーワード:
副腎皮質癌
,
転移性肺癌
,
転移性肝癌
Keyword:
副腎皮質癌
,
転移性肺癌
,
転移性肝癌
pp.373-377
発行日 2021年3月20日
Published Date 2021/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213302
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要旨
症例は62歳,女性.上部消化管造影検査で胃壁の圧迫所見があり,腹部CT検査で左上腹部に直径11 cmの巨大腫瘤を認めた.精査の結果,左副腎皮質癌と診断,腫瘍摘出術を実施した.病理組織学的検査で副腎皮質癌と診断した.術後2年目に肝・肺転移が出現したがいずれも切除可能と判断して,肝部分切除術と胸腔鏡下肺部分切除術を実施した.その後,肝と両肺に再び転移が出現,肝転移に対しては再肝切除術を実施した.多発性肺転移にはミトタン/EDP療法後に下葉切除で遺残のない切除ができた.発症から6年が経過し健存中である.副腎皮質癌は予後不良な希少癌であるが,遠隔転移があっても薬物治療と手術を組み合わせることで長期生存が得られる可能性が示唆された.
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