Japanese
English
特集 甲状腺外科の新しい展開
バセドウ病における外科治療の役割
The role and significance of surgical treatment for Graves' disease
菅谷 昭
1
,
春日 好雄
1
,
小林 信や
1
,
加藤 亮二
2
Akira SUGENOYA
1
1信州大学医学部第2外科
2信州大学医療技術短期大学部
キーワード:
バセドウ病
,
術後遠隔成績
,
術後甲状腺機能
Keyword:
バセドウ病
,
術後遠隔成績
,
術後甲状腺機能
pp.195-201
発行日 1996年2月20日
Published Date 1996/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902211
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バセドウ病の病因を自己免疫異常による疾患と考えている現時点では,特異的免疫学的寛解療法が開発されない限り,保存的ならびに外科的治療はいずれも対症療法にすぎない.外科療法はホルモン産生の場を減らし,加えて甲状腺組織内の病的免疫担当細胞を除去するとともに,抗原である甲状腺組織量を減少させることによって臨床的寛解を誘導するものと推測されている.本治療法には手術に伴う瘢痕や合併症,さらには専門の外科医を必要とするなどの欠点もあるが,他の治療法にはみられない優れた利点もあり,また現実には外科治療に頼らざるを得ない症例もあることより,その役割はなお十分に残されているものと考えられる.
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