特集 思春期を診る!
Ⅱ章 小児科医が行う思春期診療─どう診るか?どこまで診るか?
23 甲状腺疾患(慢性甲状腺炎・バセドウ病)
南谷 幹史
1
K. Minamitani
1
1帝京大学ちば総合医療センター小児科
キーワード:
慢性甲状腺炎
,
萎縮性甲状腺炎
,
バセドウ病
,
TSH受容体抗体
,
新生児甲状腺機能異常症
Keyword:
慢性甲状腺炎
,
萎縮性甲状腺炎
,
バセドウ病
,
TSH受容体抗体
,
新生児甲状腺機能異常症
pp.641-649
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000445
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慢性甲状腺炎とバセドウ病はともに臓器特異的自己免疫疾患であり,濃厚な遺伝的背景に環境要因が加わり,免疫寛容機構が破綻し発症する.慢性甲状腺炎は,無痛性甲状腺炎,バセドウ病,甲状腺癌などの病態をとることがある.急激かつ著しい甲状腺機能低下症を示す萎縮性甲状腺炎では特徴的な成長停止を示す.補充療法を開始された慢性甲状腺炎患者の40%は甲状腺ホルモン補充療法を中止できる.バセドウ病患者では5~10年の長期にわたる抗甲状腺薬治療により約半数で寛解が得られる.TSH受容体抗体陽性の妊婦では新生児が甲状腺機能異常症をきたす場合がある.妊娠を計画している女性ではTSH≦2.5μU/mLとすることが望ましい.
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