私の工夫—手術・処置・手順・13
血管吻合を付加した食道再建術
遠藤 将光
1
,
中川 正昭
2
Masamitsu ENDO
1
,
Masaaki NAKAGAWA
2
1石川県立中央病院胸部心臓血管外科
2石川県立中央病院一般消化器外科
pp.1198
発行日 1995年9月20日
Published Date 1995/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901972
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食道再建後の縫合不全の原因の1つに,血流障害からの虚血が考えられている.われわれは遊離空腸や血管柄付き皮弁ではもちろんであるが,胃管や空腸,結腸で再建した場合でも,血流障害が危惧される症例には積極的に血管吻合を付加している.
対象は過去6年間に血管吻合を付加した食道再建例13例で,食道癌7例(Ce,Im各3例,Iu1例),下咽頭癌4例,甲状腺癌の食道浸潤,胃管再建後吻合部壊死各1例であった.下咽頭癌の1例では皮膚の合併切除を要し,同部を血管柄付き前腕皮弁で二期的に再建したため,計14回27か所の血管吻合を行った.再建には遊離空腸を6例,結腸3例,胃管,空腸を各2例,皮弁を1例に使用した.結腸および空腸での再建5例中4例は胃切除術後例であった.
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