外科研修医実践購座・26
インフォームド・コンセントをめぐる諸問題
門田 俊夫
1
1羽生病院外科
pp.1187-1193
発行日 1995年9月20日
Published Date 1995/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901970
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はじめに
「外科研修医実践講座」の連載も最終回となりました.今回はインフォームド・コンセント(以下,I.C.)を取り上げます.I.C.という言葉は1957年,米国で法律用語として生まれたものとされ,その後日本にも導入,今日では一般にも広く知られるようになった.しかし,そもそもI.C.とは何だろうか.研修医諸君のなかには,I.C.を単に「手術の承諾書」と考えている人も多いのではないだろうか.
無論,I.C.とはそれだけを意味するものではない.I.C.とは,(1)医師はこれから行おうとする医療内容を患者に示す,(2)医師はこれから行おうとする医療行為に対し患者から同意を得る,この2つの原則からなる.筆者はI.C.を「医師と患者が相談しながら双方の納得にもとづいて進める医療」と考えている.これは,手術だけでなく検査や投薬などすべての医療行為を行う際の原則といえる.
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