特集 施設別/新・悪性腫瘍治療のプロトコール
Ⅶ.膵癌治療のプロトコール
(2)東京女子医科大学附属消化器病センター外科
羽生 富士夫
1
,
羽鳥 隆
1
,
今泉 俊秀
1
,
中迫 利明
1
,
原田 信比古
1
,
小澤 文明
1
Fujio HANYU
1
1東京女子医科大学消化器病外科
pp.199-203
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901691
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最近の各種画像診断の進歩により膵癌の診断技術は著しく向上し,比較的早期の小膵癌症例も散見されるようになってきているが,それでもなお大多数の症例は診断時すでに進行癌である.また,膵癌全国登録調査報告をみても,5年生存率は非切除例で1.6%,切除例で17.5%ときわめて不良といわざるをえないのが現状である1).現在の膵癌治療は外科的切除を軸に,放射線治療,各種抗癌剤や制癌剤を使用した化学療法,免疫療法などを併用した集学的治療が主として行われており,教室でも積極的に拡大手術を行い,膵癌外科治療成績の向上に邁進してきた結果,少数ではあるものの5年生存例が得られてきている2-4).本稿では,自験例を中心に膵癌(通常型浸潤性膵管癌)治療のプロトコールを述べることとする.
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