特集 施設別/新・悪性腫瘍治療のプロトコール
Ⅶ.膵癌治療のプロトコール
(1)東北大学医学部第1外科
松野 正紀
1
,
遊佐 透
1
,
島村 弘宗
1
,
砂村 眞琴
1
,
小針 雅男
1
Seiki MATSUNO
1
1東北大学医学部第1外科
pp.193-198
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901690
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
わが国の膵癌の発生頻度は10万人あたり,1960年1.8人,1985年5.2人,1991年10.9人と近年増加傾向にあり,しかもその切除率と予後は消化器癌のなかで最も悪いものの1つである1).その理由としては,診断時にはすでに進行癌の症例が多いこと,たとえ小膵癌であっても転移を伴うなど早期癌とはいえないこと,切除可能であっても術後再発率が高いことなどが挙げられる.そのため,膵癌に対しては切除範囲の拡大など外科的療法のみでは現在以上の予後の改善は期待できず,切除例も含めて放射線治療,化学療法,免疫療法などを併施する集学的治療が必要である.本稿では,教室で行っている膵癌に対する集学的治療のプロトコールを紹介する.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.