特集 施設別/新・悪性腫瘍治療のプロトコール
Ⅳ.肝癌治療のプロトコール
(2)秋田大学医学部第1外科
佐藤 泰彦
1
,
浅沼 義博
1
,
小山 研二
1
Yasuhiko SATO
1
1秋田大学医学部第1外科
pp.128-131
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901680
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肝細胞癌の多くは慢性肝炎あるいは肝硬変を合併しているため,過剰な切除に基づく過大侵襲による術後肝不全を招く一方,それを恐れるための切除範囲の縮小により,残肝再発の危険性を高める.最も重要なことは残肝予備能を的確に判断できる指標を確立することであり,各施設で様々な基準が提唱されているものの,コンセンサスは得られていない.
一般にsurgical riskの判定は多くは経験に基づく.すなわち,その施設の症例の数と質,手術手技の熟練度,術後管理の巧拙などに依存するものである.当然,各施設の治療に対するプロトコールも各施設の経験の蓄積により,変貌していくものであり,これらを他施設にそのまま適用することは危険である.
本稿では以上の点をふまえた上で,秋田大学第1外科の現在の肝細胞癌に対する治療プロトコールを紹介したい.
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