カラーグラフ シリーズ・新しい内視鏡治療・25
腹腔鏡下骨盤腔リンパ節郭清術
田島 惇
1
,
阿曽 佳郎
1
1東京大学医学部泌尿器科
pp.1077-1082
発行日 1994年9月20日
Published Date 1994/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901617
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はじめに
前立腺癌では,そのステージの進行により治療が基本的に違うと考えられている.すなわち,腫瘍が手術的に完全に摘出可能であれば根治的前立腺全摘除を施行し,リンパ節,骨などの遠隔転移が存在すれば有力な保存的治療(抗男性ホルモン療法,放射線療法)を選択することが一般的である.
このステージを決定するうえで問題となるのは,骨盤腔リンパ節,とりわけ前立腺の所属リンパ節である両側閉鎖リンパ節への転移の有無の評価についてである.CT, MRI,リンパ管造影などの従来の画像診断では,正確な骨盤腔リンパ節の転移の有無の評価はしばしば困難であった.この目的のために開放性リンパ節郭清のほかには,正確な方法が無かったのが実状であった.
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