イラストレイテッドセミナー・4
はじめての虫垂切除術・LESOON1
篠原 尚
1
1京都大学第2外科
pp.885-890
発行日 1994年7月20日
Published Date 1994/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901588
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1.臍と上前腸骨棘を結ぶ線の外側1/3の点(McBurney点)を通り,皮膚の皺に沿う約5cm(成人で)の皮膚切開を加える.腹直筋の広く発達した人では,正中に寄りすぎるとtrans-rectal incisionになってしまう.かといって,外側に寄りすぎると後腹膜に入っていってしまうことがある.McBurney点から外側へ1cm,内側へ4cmくらいが目安か.回盲部切除などによる皮膚切開の延長が予想されるときは,傍腹直筋切開を選択する.
2.皮下からの出血をコッヘル鉗子をかけて止血したのち,術者はメスと有鉤鑷子をもって皮下脂肪と2枚の浅腹筋膜を順に切開していく.前立ちは,そのつど2本の扁平鉤で展開する.外腹斜筋腱膜に達したら,前立ちは再度,鉤で創を四方に十分広げる.
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