Japanese
English
特集 上部消化管の術後運動機能評価と病態
食道癌術後再建胃管の運動機能評価と病態
Motility of the stomach for esophageal replacement
大森 浩明
1
,
旭 博史
1
,
石田 薫
1
,
斎藤 和好
1
1岩手医科大学第1外科
キーワード:
食道癌
,
再建胃管
,
運動機能
,
幽門形成術
,
術後障害
Keyword:
食道癌
,
再建胃管
,
運動機能
,
幽門形成術
,
術後障害
pp.145-154
発行日 1994年2月20日
Published Date 1994/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901475
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食道癌術後のQOLを考慮した術式を検討する目的で,本邦で頻用されている再建胃管の機能を運動機能と幽門部付加手術,分泌機能と十二指腸胃逆流の両面から評価し,胃管における術後障害の病態解明を試みた.教室で行った24時間胃管内圧測定の検討から,術後2か月で不完全ではあるがphase III様の強収縮が観察され,胃運動の回復が示唆された.しかし,迷切胃,横切胃では幽門形成の有無にかかわらず正常機能を有せず,容易に排出遅延をきたしやすい状況が予想されたが,幽門部付加手術の有無では胃排出能に差がみられなかった.また,幽門部付加手術により十二指腸胃逆流が惹起され,胃粘膜抵抗の減弱が認められた.慢性的な十二指腸液逆流と胃管癌の密接な関係を考慮すると,長期生存が期待される症例では幽門部付加手術を併施する必要性は少ないと思われた.
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