Japanese
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特集 スキルス胃癌の診断と治療
スキルス胃癌に対する抗癌化学療法の検討
Anticancer chemotherapy against Borrmann Type 4 gastric cancer
才川 義朗
1
,
久保田 哲朗
1
,
大谷 吉秀
1
,
熊井 浩一郎
1
,
北島 政樹
1
Yoshiro SAIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部外科
キーワード:
スキルス胃癌
,
抗癌化学療法
,
MTTアッセイ
,
生化学的効果修飾
Keyword:
スキルス胃癌
,
抗癌化学療法
,
MTTアッセイ
,
生化学的効果修飾
pp.1581-1585
発行日 1993年12月20日
Published Date 1993/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901443
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1986年1月より1992年7月までに,当教室にて手術,免疫化学療法などの治療を施行した胃癌症例1,024例中,スキルス胃癌は69例(6.7%)であり,本稿ではこの69例を対象に抗癌化学療法の意義について検討した.MTT法によるin vitro抗癌剤感受性試験の検討では,スキルス胃癌20例は,非スキルス胃癌55例と比較してより高い抗癌剤感受性をもっていることが示された.一方,MMCおよびFU製剤を原発巣切除後投与した21例と化学療法非施行症例10例の遠隔成績の検討では,両群の成績に有意な差は認められなかった(P=0.488).近年,新しい併用化学療法として,スキルス胃癌に対しEAP療法(3例),MTX/5—FU時間差投与療法(2例),FP療法(1例)を施行したが,特にMTX/5—FU時間差投与療法やFP療法が良好な成績を示した.今後,効果的なregimenを選択することにより,スキルス胃癌の治療成績の向上が期待される.
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