特集 Dos & Don'ts外来の小外科
Ⅷ.乳幼児の外来外科疾患
6.肥厚性幽門狭窄症
森川 康英
1
1浦和市立病院小児外科
pp.284-285
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901398
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肥厚性幽門狭窄症(HPS)は生後3週前後に発症するものが多く,特徴的な噴水状嘔吐と幽門部腫瘤の触知によって比較的容易に診断されることが多い.強度の脱水と低栄養状態に陥った重症例に今日出会うことはほとんどなくなったが,このような重症例についてはnutritional supportが必要で,術前の補正に十分時間をかけるべきである.本症は術前の体液と電解質の補正が治療の大部分を占めるといっても過言ではなく,不十分な術前治療は患児を危険にさらすだけである.近年,本症に対する超音波診断が確実に行われるようになり,ときに腫瘤触知困難例には有用である.
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