Japanese
English
臨床報告
左側腹部痛で発症した原発性大網捻転症の1例
A case of primary omental torsion complaining of left abdominal pain
生田 肇
1
,
内藤 伸三
1
,
藤田 博文
1
,
河村 貴
1
,
黒郷 文雄
1
,
明松 智俊
2
1市立加西病院外科
2市立加西病院病理
キーワード:
大網捻転症
,
原発性大網捻転症
,
Computed tomography(CT)
Keyword:
大網捻転症
,
原発性大網捻転症
,
Computed tomography(CT)
pp.957-960
発行日 1993年7月20日
Published Date 1993/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901213
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はじめに
大網捻転症は比較的まれな疾患で,1991年に勝木ら1)は本邦報告71例を集計している.急性腹症として取り扱われ,右側に多いことから急性虫垂炎と診断され開腹されることが多い1,2)が,今回,われわれは臍左側に限局性腹膜炎として発症した大網捻転症を経験したので報告する.
大網捻転症は一般的に原発性と続発性とに分類され3),本症例は腹腔内にその原因となる器質的疾患,癒着などがなかったので原発性大網捻転症と考えられた.また,術前診断には至らなかったが,CT検査にて,壊死に陥った大網が腹腔内の結合織炎の様相を呈していたので,その所見も合わせて報告する.
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