外科研修医実践講座・2
皮膚切開・縫合とその準備
門田 俊夫
1
1新東京病院外科
pp.923-927
発行日 1993年7月20日
Published Date 1993/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901206
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はじめに
今から約20年前,卒業を間近に控えた臨床講義で,外科の教授から「一般の人が他人を切りつければ傷害罪に問われる.人間をメスで切開したり,縫合することを許されているのは,国から免許を交付された医師のみである.それゆえ,医師にはそれ相応の責任が要求される.その責任のなかには,最新の医学知識や厳しい研修はいうに及ばず,倫理的,道徳的な研鑽も含まれる」と教えられ,何か神聖な気持ちにさせられたことが,昨日のことのように思い出される.初心忘るべからず.
外科研修医実践講座の連載を始めるにあたって,われわれ一同,お読みいただく学生諸君や研修医諸氏に,後々まで心に留め置いていただけるような内容を心掛けるつもりである.その代わり,内容がややもすれば独善的になるやも知れず,それをチェックする意味で,他の執筆陣による「私はこうしている」というコーナーを設けた.第1回の今回は,外科の基本である切開と縫合およびそれに関連した諸々を取り上げることにした.
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