Japanese
English
臨床報告
卵巣転移大腸癌切除後6年生存の1例
A case report of primary double advanced colon cancers metastasizing to the ovarium surviving six years concomitant surgical resections
中野 一郎
1
,
船木 芳則
1
,
生垣 茂
1
,
河原 栄
2
,
村上 信也
3
,
渡辺 洋宇
3
1国民健康保険輪島病院外科
2金沢大学医学部第1病理
3金沢大学医学部第1外科
キーワード:
大腸癌
,
卵巣転移
,
長期生存
Keyword:
大腸癌
,
卵巣転移
,
長期生存
pp.821-824
発行日 1993年6月20日
Published Date 1993/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901191
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
転移性卵巣腫瘍は,1896年,FriedrichKrukenberg1)がfibrosarcoma ovarii mucocel-lulare carcinomatodesなる組織像をもつ卵巣腫瘍をKrukenberg腫瘍と提唱したのが最初である.1902年,Schlagenhaufe2)は,Krukenberg腫瘍と原発性卵巣腫瘍について,前者がしばしば消化器系よりの二次性転移を示す卵巣腫瘍であると報告した.現在では胃のみなすらず,そのほかの腹腔内外臓器の原発巣から卵巣転移した腫瘍をKrukenberg腫瘍と呼ばれる傾向にある.
著者らは,卵巣転移を合併した大腸同時性重複悪性腫瘍6年生存の1例を経験した.卵巣転移を合併した大腸悪性腫瘍で,5年以上生存の報告はきわめて稀であり,本邦において本症例が8例目の報告である.大腸癌の卵巣転移経路および卵巣同時切除の適応の考察を加えて報告する.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.