前立ちからみた消化器外科手術・20
胸部食道癌根治術における前立ちの基本操作(3)
早川 直和
1,2
,
二村 雄次
2
1名古屋大学医学部第1外科
2国家公務員等共済組合連合会東海病院外科
pp.1615-1621
発行日 1992年12月20日
Published Date 1992/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901060
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今回からは,胸腔内操作について述べる.特にIm領域の食道癌根治術を中心に,上縦隔郭清における前立ちの基本操作について述べる.
胸腔内操作の基本は,気管,大動脈,反回神経などの重要臓器周囲のリンパ節ならびに結合組織を食道につけたまま切除することである.したがって,切離線は主要臓器との境界部であり,前立ちと鉤引きはこの切離線がしっかり認識できるように視野を展開することが重要である.胸腔内操作は,頸部や腹腔内の操作と異なり,深く,狭い視野での操作が多いので,特殊鉤などいろいろの道具を臨機応変に選択して用いることが大切である.なお文中,右,左,頭,尾側などは,すべて患者のである.
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