特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅴ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
34.慢性関節リウマチ
橋本 博史
1
1順天堂大学医学部膠原病内科
pp.232-233
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901007
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慢性関節リウマチ(RA)は,多発性関節炎を主徴とする慢性炎症性疾患で,その関節炎は非化膿性,非腫瘍性である.関節破壊の進行に伴い,関節機能の障害をきたし,可動制限をもたらす.原因は不明であるが,その発症機序に自己免疫の関与が示唆され,リウマトイド因子をはじめとする免疫異常を伴う.日本におけるRAの患者数は約30〜50万人と推定され,そのうちの7万人は身障者である.性別では,女性が男性に比べて3倍多く,好発年齢は30〜50歳台である.
侵される関節は,主に滑膜関節(図)で,左右対称性に侵される.また,経過中,種々の関節外症状を伴い,時に血管炎を背景として多臓器病変を伴い,予後不良の病態をみることがある(悪性関節リウマチ,MRA).主な関節外症状を表1に示す.
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