特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅲ.術前・術後管理における薬物療法の実際
17.腎性高血圧症手術
上月 正博
1
,
阿部 圭志
1
1東北大学医学部第2内科
pp.114-116
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900961
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腎性高血圧症は,腎実質性高血圧症と腎血管性高血圧症に大別される.外科手術は特に腎血管性高血圧症の根治治療として行う場合がほとんどである.外科的療法には血行再建術と腎摘出術があるが,現在は降圧薬療法が奏効するので,血行再建術不可能例では腎摘出術は行われなくなってきている.また,PTA(percutaneous transluminalangioplasty)も開発され,外科的手術は激減している.最近では,腎血管性高血圧症の治療法の選択も腎動脈の狭窄の病因や程度,部位,範囲,片側性か両側性か,年齢,心血管病変の合併症の有無,高血圧の持続期間と重症度などを考慮した上で決定する.
手術前後の高血圧管理の原則は次のとおり.1)合併症の種類,程度,病態の特徴などを総合し,最適な降圧薬を選定,コントロールすべき血圧レベルを設定し,手術直前まで血圧を適切にコントロールしておく.
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