特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅱ.感染症の薬物療法
8.敗血症
石川 周
1
,
由良 二郎
1
1名古屋市立大学医学部第一外科
pp.66-67
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900941
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敗血症septicemia1)は,血液培養により細菌や真菌が証明され,それに付随した重篤で多彩な全身症状を呈する症候群である.菌血症bacter-emia,エンドトキシン血症は,血中より細菌またはエンドトキシンが検出される状態をさすが,これらも敗血症と同意語的に理解される場合もある.
外科領域における敗血症の背景因子には,汎発性腹膜炎や化膿性胆管炎,術後感染症などの外科的感染症より2次的に発症するものと,中心静脈カテーテルなどを原因とする医原的なものが挙げられる.また,宿主側要因として抵抗性減弱因子の存在も大きい.敗血症は重症感染症であり,その治療2)には原因となる病態の治療と全身状態の改善に加えて,原因菌に対して有効な抗菌剤を速やかに選択投与することが必要である.
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