Japanese
English
臨床研究
漏便の問題からみたストーマ洗腸療法の検討
Study of effective colostomy irrigation technique to minimize stool spillage
梅野 寿実
1
,
春田 淳
1
,
光石 和夫
1
,
鳥谷 裕
1
,
多胡 卓治
1
,
池田 靖洋
1
Toshimi UMENO
1
1福岡大学第1外科
pp.1071-1074
発行日 1992年8月20日
Published Date 1992/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900868
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はじめに
直腸癌患者におけるコロストーマ造設症例は少なくなってはいるが,ストーマケアは外科医にとっても依然として重要な仕事であり,関心をもたなければならない問題である.コロストーマよりの排便処理法には自然排便法と洗腸療法とがあり,主に前者は欧州で1,2)後者は米国で3)施行されている.日本では1967年頃より洗腸療法が導入され,かなりの普及がみられたが4),最近は再び自然排便法が見直されており,一般的に自然排便法施行者が多数を占めている.これには生理的であるという理由の他にも,装具の発達が大きく関与していると思われる5〜7).
しかし,非生理的ということで,洗腸療法を否定するのは合理的な考えとはいえず,洗腸療法が自然排便法に劣る理由はみられない7).当教室では退院前に洗腸療法を指導し,退院後は患者の自由意思にまかせているが,現在でも多くの患者が洗腸療法を行っており,患者の環境や背景にもよるが,洗腸療法も的確に行えば,自然排便法に劣らない優れた排便処理法といえる8,9).
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