Japanese
English
臨床報告
血管病変を伴った慢性膵炎の2手術症例
Chronic pancreatitis with vascular lesion:Report of two cases
榎 忠彦
1
,
守田 信義
1
,
平岡 博
1
,
野島 真治
1
,
小林 哲朗
1
,
江里 健輔
1
Tadahiko ENOKI
1
1山口大学医学部第1外科
pp.543-546
発行日 1992年4月20日
Published Date 1992/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900784
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はじめに
食生活の欧米化とアルコール摂取量の増加に伴い,慢性膵炎は増加傾向にある.慢性膵炎は膵内・外分泌機能低下症状および頑固な疼痛を主症状とするが,その臨床病態は複雑で,種々の合併症を伴うことがある.1980年から1990年末までに教室で経験した慢性膵炎症例は20例で,男女比は18:2,年齢は27歳から64歳まで,平均47歳であった.成因別の内訳はアルコール性12例,特発性7例,胆道原性1例と,アルコール性慢性膵炎症例が過半数を占めた.手術が施行されたのは18例で,このうち3例が膵周囲の血管病変を続発していた.既に報告した1例1)を除く2例(脾動脈瘤兼脾静脈閉塞,脾静脈閉塞)について,その診断および治療に関して,若干の文献的考察を加えて報告する.
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