Japanese
English
特集 再手術の適応と術式
食道アカラシア手術後の下部食道狭窄
Lower esophageal stenosis after surgical treatment of esophageal achalasia
福元 俊孝
1
,
島津 久明
1
Toshitaka FUKUMOTO
1
,
Hisaaki SHIMAZU
1
1鹿児島大学医学部第1外科
pp.301-307
発行日 1992年3月20日
Published Date 1992/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900749
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現在,食道アカラシアの手術的療法では食道あるいは食道噴門筋切開術が多くの施設で基本術式として採用されている.筋切開を的確に行うと同時に,胃内容の食道内逆流防止に十分に配慮すれば,その術後成績はおおむね良好で,通過障害の再発のために再手術が行われることはごく例外的である.この場合の術後狭窄には,術直後からみられる持続性狭窄と術後しばらくの無症状期間を経たのちに起こる再発性狭窄の2種類がある.再発性狭窄の主な原因は筋切開創の瘢痕性収縮と逆流性食道炎である.治療においては,まず保存的に拡張術を試みるが,十分な効果が得られないために,最終的に再手術が必要になることが少なくない.再手術に際しては,なるべく侵襲の少ない手術方針を採用するのが望ましい.しかし,すでに手術操作の加えられている下部食道噴門部に繊細な手技を施行することは容易ではないので,やむなく下部食道噴門切除術を実施せざるを得ないことが多い.
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