Japanese
English
特集 下肢循環障害の治療—適応と限界
腸骨動脈閉塞症—手術治療と術後管理
Aortoiliac occlusion:Operation and postoperative management
矢野 孝
1
,
錦見 尚道
1
Takashi YANO
1
,
Naomichi NISHIKIMI
1
1名古屋大学医学部第1外科
pp.181-188
発行日 1992年2月20日
Published Date 1992/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900732
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腸骨動脈領域の閉塞性動脈硬化症に対しては,原則としてFontaine分類III期以上の症例に血行再建術を行っている.まず患者の全身状態を評価し,大動脈—大腿動脈間の人工血管による解剖学的バイパス術を第一選択としている.非解剖学的バイパス術は長期開存が得難いために,high riskの症例にのみ行う.大動脈への到達法として,下腸間膜動脈の温存がしやすい右腹膜外経路を用いているが,凝固・線溶系に異常のある症例では開腹している.中枢は端々吻合を行うことが多いが,端側吻合とする場合には,血流の乱れを極力少なくするようにSauvageのtrickを用いている.末梢吻合は,原則としてprofundaplastyを施行しているが,症例に応じてdouble tongueによる浅大腿動脈起始部の形成術を行うこともある.
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