Japanese
English
特集 院内感染—現状と対策
臨床細菌の立場からみた最近の院内感染
A report of the present status of the hospital acquired infections from a clinical microbiological point of view
菅野 治重
1
Harushige KANNO
1
1千葉大学医学部附属病院検査部
pp.1449-1453
発行日 1991年12月20日
Published Date 1991/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900688
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
院内感染の危険性は,細菌側の要因として,菌種固有の病原性,ヒトへの定着性,抗菌剤・消毒剤に対する耐性,などが重要であり,患者側の要因としては易感染性の程度が重要である.易感染性では,全身的な条件としては,基礎疾患,白血球数,免疫抑制療法などが,局所的な条件としては,熱傷,創傷,術創,慢性気道疾患などが重要である.院内感染対策を論じる場合,これらの因子を菌種別に考慮する必要がある.院内感染の原因菌として,S.aureus,P.aeruginosa, S.marcescens, P.cepacia,などが問題となってきたが,現在は再びS.aureus(MRSA)が問題となっており,強毒菌の新しい耐性獲得は臨床的に大きな脅威となる.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.