Japanese
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特集 若年者癌診療の実際
若年者乳癌
Management of breast cancers in women 35 years of age or younger
稲治 英生
1
,
小山 博記
1
,
野口 眞三郎
1
,
山本 仁
1
Hideo INAJI
1
1大阪府立成入病センター外科
pp.1335-1339
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900670
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若年者乳癌は妊娠・授乳期であるなしを問わず,一般に予後不良であるとされる.自験例についてみても,若年者例(35歳以下)での予後不良傾向が確認された.しかし,既知の病理学的因子にその予後不良の原因を見出すことはできず,ERなど腫瘍の性格に根ざしたものと考えられた.こうした現状打破のために化学療法に寄せる期待が大きい.術後補助療法としては,cyclophosphamide(CPA)投与の有用性,殊に内臓転移抑制効果を示唆する成績が得られ,今後CPAの再評価が必要と思われた.一方,妊娠・授乳期乳癌もかつて考えられていたほど特殊なものではなく,その進行度に応じた治療法を選択すればよいものと思われる.また乳癌術後の妊娠の是非についても,QOLの面からより柔軟な対応が求められるであろう.
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