特集 術前・術後管理 '91
D.特殊病態患者の周術期管理
原発性アルドステロン症患者の周術期管理
小原 孝男
1
1東京女子医科大学内分泌外科
pp.100-101
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900577
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■病態と問題点■
原発性アルドステロン症は,副腎皮質腫瘍からアルドステロンが過剰に産生・分泌され,Na貯留による高血圧とK喪失による低K血症を起こす疾患である.副腎皮質過形成でも同じ病態が生じるので,診断にあたっては腫瘍か過形成かの鑑別が重要である.過形成の場合には,原則として手術適応がない.
ほとんど大部分のアルドステロン産生副腎腫瘍は良性腺腫であり,大きさは直径で1〜3cmくらいである.アルドステロンを単独に産生・分泌する副腎皮質癌があるとしても極めて稀で,副腎癌によるアルドステロン過剰症はCushing症候群,副腎性器症候群の部分症であることが多い.
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