特集 術前・術後管理 '91
D.特殊病態患者の周術期管理
腎移植患者における他部の手術
田辺 一成
1
,
高橋 公太
1
1東京女子医科大学腎センター泌尿器科
pp.90-91
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900572
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■問題点の解説■
本稿では,腎移植を受けた患者の手術(移植手術以外)に際して注意すべき点を主に述べる.腎移植術後の患者がよく受ける手術としては,ブラッドアクセス,大腿骨頭置換術,副甲状腺摘出術などがあるが,これ以外にもすべての種類の手術を受ける可能性があることはいうまでもない.これら手術の詳細については成書にゆずり,本論文では腎移植患者の手術に際しての一般的な注意点について述べる.
まず,腎移植後にみられる特殊な病態の理解が必要となる.その問題点を次に列挙する.①免疫抑制下にある,②腎機能が悪いものがある,③移植後の時期による病態の変化を考える必要がある,④特殊な移植手術に伴う問題がある,などとなる.以下,これら特異な病態を考慮しつつ述べることとする.
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