MEDICAL Notes
腎移植における感染,他
pp.126-127
発行日 1965年1月20日
Published Date 1965/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203528
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腎移植を要するような尿毒症患者では,感染が高率で低抵抗である(Schreiner, G.E.:Uremia, C.C.Tho-mas,1961)。また手術時の脾剔が感染susceptibilityの重要な原因になる(Laski, B.:Pediatrics 24:523, 1961)。そのうえ副腎ホルモンを与える必要があるので,移植には感染が重要な問題として随伴する,Hume (J.Clin.Invest.34:327,1955)の最初の移植報告9例では実に7例に感染がおこつた.感染者はすべてコーチゾン投与をうけている.その後のHume (Ann.Surg.158:608,1963)にはモニリア症死があり,Murray (New Engl.J.Med.268:1315,1963)の5移植例の3例に感染があつた.腎移植のみでなく,骨髄移植でも感染が危険な合併症とされている(Thomas.E.D:Arch.int.Med.107:829,1961).Colorado大学でも盛に腎移施を研究していることは本誌にも何回か紹介された(たとえばStarzl,T.E.:SGO 117:385,1963)が,6〜49歳の30例(♂25,♀5)の移植がなされ,厳重な無菌操作が取られているが,実に26例に感染がおこり,全30例の死亡12例の実に8例が感染死であつた.
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