カラーグラフ Practice of Endoscopy
胃・十二指腸内視鏡シリーズ・Ⅸ
上部消化管出血に対する内視鏡的マイクロ波凝固法
永井 祐吾
1
,
谷村 弘
1
1和歌山県立医科大学消化器外科
pp.1841-1845
発行日 1990年12月20日
Published Date 1990/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900326
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
われわれは食道静脈瘤を除く上部消化管出血の止血には内視鏡的マイクロ波凝固法(EMCT)を第一選択としている.
その理由は,①自己誘電加熱によって凝固するため組織が炭化せず,これが早期に脱落することによる出血や穿孔の危険性が少なく安全であること,②組織刺入法と接触法が選択でき処置が容易であること,③直径2.4mmの電極基部の圧迫止血効果もあり,直径2mmまでの動脈性出血にも有用であること,④さらには,マイクロ波自体の抗腫瘍効果が期待でき,悪性腫瘍からの持続性出血にも適応があることなどが挙げられる.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.