Japanese
English
臨床報告
先天性脾静脈—腎静脈短絡によるPortal-Systemic Encephalopathyの1例
A case of portal-systemic encephalopathy due to congenital splenic-renal shunt
北野 良博
1
,
梅北 信孝
1
,
松峯 敬夫
1
Yoshihiro KITANO
1
1都立墨東病院外科
pp.787-791
発行日 1990年6月20日
Published Date 1990/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900129
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はじめに
門脈大循環短絡により,反復する意識障害や手指振戦などが出現することは広く知られており,portal-systemic encephalopathy,猪瀬型肝性脳症などと呼ばれている.多くの場合,肝硬変,特発性門脈圧亢進症(IPH)などの原疾患に伴ってみられるが,最近では肝臓に肉眼的にも組織学的にもほとんど異常のみられない症例が報告されつつある.今回筆者らは肝硬変などの原疾患を伴わず,先天性と考えられた脾静脈—左腎静脈短絡によるportal-systemic encephalopathyの1例を経験し,外科的に短絡路を閉鎖することによって症状の消失を認めたので報告する.
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