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あとがき
遠藤 格
pp.834
発行日 2024年7月20日
Published Date 2024/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214597
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5月13日から南アフリカに出張してきました.第16回世界肝胆膵会議が5月15日〜18日までケープタウンで開催されたのです.シンガポール経由で片道22時間でした.時差が7時間ということもあり,夜中に目が覚めるとおもむろに溜まったメールを3時間くらいかけて処理し,シャワーを浴びて学会場に行くという毎日でした.
この学会は2年に一度開催される肝胆膵外科領域の世界大会であり,毎回著名な研究者が集合します.全体で1,700題ほどの演題のうち,日本からは78演題が発表され,多くの日本人外科医が発表してくれました.近年のトピックスとして3つほど社会的な取り組みが見られたのが興味深かったです.①Early Carrier Groupといって45歳以下の若手をどのように育成すべきか,メンターシップはどうあるべきか,を話し合うセッション.②DEI(Diversity Equity Inclusion)として女性外科医の待遇改善などを話し合うセッション.欧米では女性外科医の待遇改善は10年以上前から進んでいたと思っていたのですが,まだまだ男性とはイコールではないということがよく理解できました.特に現理事長の講演では,いままでの学会理事長がほとんど男性だったことが示され,5年以内(!)に女性理事長を生み出さなければならない,と表明されたことには大変感銘を受けました.③アライドヘルスケア,すなわち手術室ナース,ナースプラクティショナーなどの協力者を育成する取り組み.これらは本邦でも既に始まっていますが,まだまだ(本気ではなく)遅れていると感じました.
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