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あとがき
遠藤 格
pp.120
発行日 2025年1月20日
Published Date 2025/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800010120
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先日,製薬業界の方とお話しする機会がありました.本邦の医薬品市場が9〜10兆円なのはご存知でしょうか.令和4年度の国民医療費は46兆円なので,おおよそ4分の1を医薬品が占めているということです.2006年に出月康夫先生が一般社団法人外科系学会社会保険委員会連合(外保連)のウェブサイトに書かれた『日本の医療費と医療を正しく理解するために』によれば,当時の医療費は31兆円で,そのうち医薬品が8兆円ですから,昔から医療費の4分の1は医薬品なのです.国としてはなるべく医療費総額を抑えたいので,医薬品も当然抑制されています.一方で最近では免疫チェックポイント阻害薬やCAR-Tなど超高額薬品も増えています.私の専門の胆道癌でも続々と導入されており,そのあおりを受けてか一般薬は毎年薬価の見直し(改定)が行われて薬価が引き下げられています.ジェネリック医薬品メーカーも薬価を下げられて収益を上げにくい構造になっているようです.さらには原料不足や物流コストの上昇もあり,相当苦しいとおっしゃっていました.どの業界も大変ですね.
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