書評
—北川雄光(監修) 宮澤光男,竹内裕也(編集)—消化器内視鏡外科手術バイブル—動画で学ぶハイボリュームセンターの手技
平野 聡
1,2
1北大大学院・消化器外科学
2北大病院・消化器外科Ⅱ
pp.649
発行日 2024年6月20日
Published Date 2024/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214557
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「手術は手術室に行って覚えよ」とは,外科医にとって絶対的な教えであった.あえて術野に入らない立場で,術者や助手の一挙手一投足を目に焼き付け,その手術室の雰囲気を含めて肌で感じることは,「手術が上手くなりたい外科医」にとって必須の行いと目されていた.しかし本書は,その不文律を塗り替えるかのごとき大著である.
「コロナ禍」により移動が制限された数年間を経験し,さらに働き方改革で外科医の時間の使い方に変化が生じる中,多くの修練医がエキスパートによる手術映像を渇望している.確かに,昨今,外科系学会では多くの手術動画が供覧されるようになったが,短時間の口演では繰り返し学習は困難であり,エキスパートの考え方やデバイス選択の理由など,詳細情報を欠くことが常である.そのような背景を的確に認識し出版されたのが本書であり,消化器内視鏡手術全般を,実に368本を数える動画と豊富な紙面情報により読者にオンデマンドで提供してくれる点において他に比肩するものがない.
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