Japanese
English
臨床報告
乳び腹水を伴った原発性小腸軸捻転症の1例
A case of primary volvulus of the small intestine with chylous ascites
佐久間 崇
1
,
寺岡 均
1
,
庄司 太一
1
,
木下 春人
1
,
中川 泰生
1
,
大平 雅一
1
Takashi SAKUMA
1
1馬場記念病院外科
キーワード:
原発性小腸軸捻転症
,
乳び腹水
,
絞扼性腸閉塞
Keyword:
原発性小腸軸捻転症
,
乳び腹水
,
絞扼性腸閉塞
pp.633-637
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214137
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要旨
症例は81歳の男性で,心窩部不快感および黒色嘔吐を主訴に救急搬送され,絞扼性腸閉塞の術前診断で緊急手術を施行した.腹腔内には少量の乳び腹水が貯留しており,また小腸は腸間膜根を軸として時計回りに180度捻転していた.小腸に病変は認めず,原発性小腸軸捻転症および絞扼性腸閉塞と診断した.腸管壊死は認めず,捻転解除術のみ施行し手術終了した.術後24日目に退院となり,8か月間再発なく現在まで経過している.成人例での原発性小腸軸捻転症は比較的稀で,絞扼が緩い初期段階には乳び腹水を伴うことがある.腹腔穿刺やCT値から術前の腹水性状を精査することで,腸管壊死の有無を術前から予測できると考えられた.
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