Japanese
English
臨床報告
鼠径管後壁を切開することで腹腔鏡下に切除しえたNuck管水腫の1例
A case of hydrocele of the canal of Nuck resected laparoscopically by an incision in the posterior canal wall
黒田 顕慈
1
,
長谷川 毅
1
,
久保 尚士
1
,
櫻井 克宣
1
,
日月 亜紀子
1
,
前田 清
1
Kenji KURODA
1
1大阪市立総合医療センター消化器外科
キーワード:
Nuck管水腫
,
TAPP
,
腹腔鏡下手術
Keyword:
Nuck管水腫
,
TAPP
,
腹腔鏡下手術
pp.628-632
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214136
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要旨
症例は30歳の女性,右鼠径部痛を主訴に当院を受診した.子宮内膜症を合併したNuck管水腫と診断し,子宮内膜症の検索も要したため,腹腔鏡下手術を選択した.内鼠径輪から水腫を確認することができなかったため,下腹壁動静脈内側の鼠径管後壁を切開し,子宮円索を内側へ引き抜いたうえで,さらに遠位側へ追求していくとNuck管水腫を認め,損傷することなく完全に切除できた.体表近くにあるNuck管水腫に対して腹腔鏡下手術は完全切除が困難といわれているが,鼠径管後壁を切開する手技を加えることで,より遠位部にあるNuck管水腫も切除可能であると考えられた.
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