増刊号 Stepごとに要点解説 標準術式アトラス最新版—特別付録Web動画
1.食道
胸部食道癌に対する腹臥位胸腔鏡下手術
白川 靖博
1
Yasuhiro SHIRAKAWA
1
1広島市立広島市民病院外科
キーワード:
腹臥位胸腔鏡下食道手術
,
拡大視
,
微細解剖
,
リンパ節郭清
Keyword:
腹臥位胸腔鏡下食道手術
,
拡大視
,
微細解剖
,
リンパ節郭清
pp.16-25
発行日 2021年10月22日
Published Date 2021/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213484
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Step1 麻酔および手術体位とポート挿入
麻酔導入および気管内挿管はストレッチャー上で行う.通常のシングルルーメンチューブを挿管後,手術台へ移動して腹臥位とする.その際,マジックベッドを用いて約45度の左半腹臥位で患者を固定し,手術台のローテーションによりほぼ完全腹臥位とする.上肢は右側のみ挙上して固定する.その際,術後の肩痛を予防するため,肩関節の屈曲は120度以内,外転は135度以内,さらに肘関節の屈曲は30度以内として上腕よりも前腕を下げて固定している.また,術野確保のためクッションを右鎖骨下窩〜右大胸筋部に入れ,肩甲骨が腹側に落ち込まないようにしている(図1a,b).
われわれは6ポートにて手術を行っている.術者用のポートを第5,7肋間後腋窩線に挿入するが,鉗子やデバイスの可動性向上および操作安定性を重視し,5 mmポートとしている.第3肋間中腋窩線と第8肋間中腋窩線やや前方に助手用の12 mmポートを挿入し,第9肋間肩甲下角線に胸腔鏡用の12 mmポートを挿入する.さらに,第6肋間肩甲下角線にガーゼなど出し入れのために12 mmポートを挿入する(図1c,d).手術中の麻酔は気管支ブロッカーを用いた分離肺換気で行っており,炭酸ガスによる6〜10 mmHgの人工気胸も併用している.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年10月末まで)。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.