Japanese
English
臨床報告
癒着性腸閉塞との鑑別を要した外側型盲腸周囲ヘルニアの1例
A case of lateral paracecal hernia requiring a differential diagnosis from adhesive small bowel obstruction
坂部 龍太郎
1
,
村尾 直樹
1
,
桒田 亜希
1
,
田原 浩
1
,
布袋 裕士
1
,
前田 佳之
1
Ryutaro SAKABE
1
1呉共済病院外科
キーワード:
盲腸周囲ヘルニア
,
腸閉塞
,
腹腔鏡手術
Keyword:
盲腸周囲ヘルニア
,
腸閉塞
,
腹腔鏡手術
pp.1508-1511
発行日 2019年12月20日
Published Date 2019/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212793
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
症例は66歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に救急外来を受診した.単純CTで胃から上部小腸に拡張と液体貯留を認め,回盲部に閉塞起点を認めた.盲腸背側に嵌まり込んだように見える小腸ループを認めた.虫垂切除術の既往があることから癒着性腸閉塞を疑ったが,鑑別診断として盲腸周囲ヘルニアを考えた.イレウス管挿入後に待機的腹腔鏡手術を施行した.盲腸外側に膜様のヘルニア門を認め,小腸が嵌頓していた.嵌頓を解除し,ヘルニア門を切開開放した.術後経過は良好で,術後7日目に軽快退院した.腹部手術歴を有する腸閉塞症例においても,内ヘルニアの可能性を念頭に置いて診断,治療にあたることが重要と考えられた.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.