Japanese
English
臨床報告
腹部大動脈ステントグラフト留置術後遠隔期の胃穿孔によるショックに伴った左側結腸壊死の1例
A case of left-side colon necrosis accompanied by shock caused by a perforation of the stomach in a patient with a history of endovascular abdominal aortic aneurysm repair
丹羽 真佐夫
1
,
林 昌俊
1
,
栃井 航也
1
,
高橋 啓
1
,
川村 紘三
1
Masao NIWA
1
1岐阜赤十字病院外科
キーワード:
EVAR
,
遠隔期
,
結腸壊死
Keyword:
EVAR
,
遠隔期
,
結腸壊死
pp.641-644
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212484
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要旨
症例は78歳の男性.約2年半前に腹部大動脈瘤に対して他院で腹部大動脈ステント留置術(endovascular aneurysm repair:EVAR)の既往があった.当院消化器内科で下痢・多発肝腫瘍の精査入院中に多発出血性胃潰瘍を併発した.連日止血術を施行されたが,2日後に腹痛・発熱が出現し,胃潰瘍穿孔の診断で外科転科し同日緊急手術を施行した.胃体下部小彎前壁に約1 cm大の穿孔部を認めた.また下行結腸からS状結腸まで壊死を認めたため幽門側胃切除術と結腸左半切除術を施行した.EVAR後に下腸間膜動脈の閉塞が生じ,血流の予備能が低かった左側結腸が,胃穿孔によるショックで壊死に陥ったと推察された.
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