ひとやすみ・175
始めは誰もが未熟
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.426
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212434
- 販売していません
- 文献概要
医師に成りたての頃は誰もが知識や経験がなく,さまざまな失敗を重ねるものである.そしてすべてにわたり卒なくこなす先輩の姿を見るにつけ,己の将来に不安を覚える.しかし完璧な先輩にも,未熟な新人時代があった.今は外科医として,そして常識ある社会人として活躍する我が同輩の,研修医時代を紹介する.
医局歓送会を市内の格式ある料亭で行った.誰もがそれなりの格好で集まったが,研修医Sはいつもながらのカジュアル姿で,しかも素足のサンダル履きであった.料亭の女将さんがさり気なく用意した靴下を履き,羞恥心は微塵も見せずに「得をした」と語った.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.