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特集 縦隔を覗き,さらにくり抜く—これからの食道・胃外科手術
総論
「食道胃接合部癌手術」および「非胸腔アプローチによる食道癌手術」の現状
Current status of esophago-gastric junction cancer and transmediastinal esophagectomy for esophageal cancer
瀬戸 泰之
1
,
山下 裕玄
1
,
愛甲 丞
2
,
八木 浩一
1
,
西田 正人
1
,
奥村 康弘
1
,
山形 幸徳
3
,
森 和彦
4
,
野村 幸世
1
Yasuyuki SETO
1
1東京大学消化管外科
2東京大学肥満メタボリックケア
3国立がん研究センター中央病院胃外科
4三井記念病院消化器外科
pp.526-530
発行日 2018年5月20日
Published Date 2018/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212021
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【ポイント】
◆食道腺癌が世界的に増加しているとの報告が多い.Siewert type Ⅱに関しては一定の報告はないが,わが国における手術件数は増加傾向にあると思われる.
◆EGJ扁平上皮癌は食道癌として治療されるが,EGJ腺癌,特にSiewert type Ⅱに対する術式はcontroversialである.ただし,わが国における調査では,胃下部リンパ節の郭清意義は乏しく,郭清目的での胃全摘は不要と結論づけられた.下縦隔郭清の効果については,現在進行中の前向き調査の結果を待つ必要がある.
◆非胸腔アプローチによる食道手術は,術後呼吸器合併症の抑制目的で開発された.標準的に行われている術式ではないが,胸腔アプローチと同等の郭清ができることや,術後肺炎防止効果,術後QOLなどに関する報告が出始めている.2018年4月に保険収載されることもあり,今後普及していく術式と考えられる.
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